無料VPNでも安全なものはありますが、そうでないものも少なくありません。研究では、DNSやIPv6の通信を漏らす、追跡用のライブラリを組み込む、暗号化された通信を傍受するといったAndroid向けの無料VPNアプリが見つかっています。9のポイントを確かめれば、数分で見分けられます。最初に確かめるのは、いつも同じ「だれが費用を払っているのか、それを明記しているか」です。
VPNは、スマートフォンのすべての接続を目にします。それがVPNの役割であり、だからこそ質の悪いVPNを選ぶと、使わないよりも悪い結果になりかねません。うれしいことに、見分けるのに専門知識は要りません。ここで紹介する9のポイントは数分で確かめられ、答えのほとんどは事業者のウェブサイトかGoogle Playの掲載ページに書かれています。
「無料」にもう一度目を向けるべき理由
VPNの運営にはお金がかかります。サーバー、回線、そして人です。あなたが払わないなら、だれかが払っています。問題は、その人が見返りに何を得ているかです。これは仮定の話ではありません。2016年のInternet Measurement Conferenceで発表された、VPN権限を使うAndroidアプリ283本の調査では、安全でないトンネル、トンネルの外にDNSやIPv6の通信を漏らすアプリ、追跡用ライブラリを組み込んだアプリ、さらに暗号化された接続を傍受するアプリが見つかっています。論文は記事末尾の出典に載せています。
だからといって、すべての無料VPNが危険というわけではありません。信頼できることを示す責任はアプリの側にある、ということです。
9のチェックポイント
1. だれが費用を払い、それを明記しているか
ウェブサイトにはっきりした答えがあるか探してください。無料版を支える有料プラン、スポンサー、プロジェクト自身の資金などです。「プライバシーを大切にしているから無料です」は答えになっていません。まったく説明がないなら要注意です。
2. 何を保存するのか、期間とともに書かれているか
バナーの「ノーログ」だけでは、ほとんど何もわかりません。良いプライバシーポリシーは、何を、どんな形で、どれだけの期間保存するのかを1行ずつ示しています。見るべき点は記事「VPNの「ノーログ」とは?」で説明しています。
3. 運営会社を特定できるか
会社名、国、所在地、法的な表示。どの国の裁判所がデータを求められるかは所在地で決まります。見つけられる会社なら、約束を守らせることもできます。
4. 広告や追跡用のSDKが入っていないか
VPNアプリに広告や分析のライブラリが入っているのは悪いサインです。通信を守るはずのアプリが、あなたのプロファイルを作るべきではありません。Google Playのデータセーフティ欄で、アプリが収集・共有するデータの申告を確認でき、既知のトラッカーを調べるツールで裏づけもとれます。
5. どんな権限を求めるか
VPNに必要なのは、AndroidのVPN権限とネットワークへのアクセスです。連絡先、ストレージ、SMSを読む理由はありません。位置情報を求めるなら、その理由を具体的に説明すべきです。なお、VPN権限そのものは、どのVPNアプリでも少し不安になる警告をAndroidが表示します。その意味はVPN権限についてのヘルプ記事で説明しています。
6. 漏れはないか
接続してから確かめます。公開IPアドレスはVPNのもの、DNSサーバーもVPNのものであるべきで、IPv6はトンネルを通るかブロックされている必要があります。無料のIPアドレス・WebRTC確認ツールで、サイトから何が見えるかをブラウザーで確かめられます。
7. どのプロトコルを使っているか
WireGuard、または十分に検証されたOpenVPNやIPsecの構成です。外部のだれも確かめられない「独自の暗号化」には注意してください。
8. キルスイッチはあるか
Androidで最も確実なVPN キルスイッチは、システムに組み込まれています。「常時接続VPN」と「VPNなしの接続をブロック」です。良いアプリは、システムが保証できない独自のスイッチを約束するのではなく、この2つの設定方法を案内します。
9. 透明性レポートとセキュリティ窓口があるか
公的機関からの要請や不正利用の通報を件数で公開するページと、脆弱性を報告する方法(セキュリティページや security.txt)があれば、説明責任を果たすつもりの事業者だとわかります。
同じポイントでPryVPNを確かめると
ほかのアプリに求めながら自分たちを確かめないのは公平ではありません。足りない点も含めて、PryVPNの結果を示します。
| ポイント | PryVPN |
|---|---|
| 1. だれが払うか | はい。ベータ版はプロジェクト自身が負担しています。広告もデータ販売もありません。詳しくは無料で提供できる理由 |
| 2. 何を保存するか | はい。プライバシーポリシーの各行に形と期間があります。要約は「PryVPNが保存するもの」 |
| 3. 運営会社の特定 | まだです。法人情報を公開していません |
| 4. 広告・追跡SDK | ありません。広告・分析用のSDKもFirebaseも使っていません |
| 5. 権限 | VPN、ネットワーク、通知。位置情報は、信頼するWi-Fiを登録するときだけです。AndroidはWi-Fiの名前を、この権限を持つアプリにしか渡さないためです |
| 6. 漏れ | アプリ内のリークテストで、IP、DNS、IPv6を確認できます |
| 7. プロトコル | WireGuard。ステルスモードでは、ポート443のTLS 1.3の中にWireGuardを通します |
| 8. キルスイッチ | Androidの常時接続VPNの設定画面をアプリから開けます |
| 9. 透明性 | 透明性ページ、セキュリティページ、security.txt |
9項目のうち1つはまだ「まだです」のままです。インストールした後ではなく、前に知っていただきたいと考えています。
使うのをやめるべきサイン
- プライバシーポリシーがない、または「データを売りません」としか書いていない
- ネットワークと関係のない権限を求める
- 「軍用レベル」「100%匿名」「無制限・最速・最高」などの言葉に裏づけがない
- 信頼できるストアではなく、ウェブサイトからAPKをダウンロードさせる
- ほめるだけで、アプリが何をするのかに触れないレビューばかり
よくある質問
有料VPNなら必ず安全ですか?
いいえ。料金を払えば、データでお金を稼ぐ理由がひとつ減りますが、残りの8つのポイントは変わりません。広告SDKが入っていたり、保存期間が書かれていなかったりすれば、有料アプリでも同じく不合格です。
公衆Wi-Fiでは、無料VPNでも使わないよりましですか?
信頼できるVPNなら、はい。訪れるサイトをネットワークから隠せます。信頼できないVPNなら、リスクがカフェのWi-Fiから、何も知らない会社へ移るだけです。ネットワークから何が見えるかは公衆Wi-Fiのガイドで説明しています。
アプリのトラッカーは自分で確かめられますか?
ある程度はできます。Google Playのデータセーフティ欄は開発者自身による申告です。アプリのパッケージを解析するトラッカー調査ツールを使えば、どの既知のライブラリが入っているかを独立して確かめられます。
PryVPNがこれらのポイントを十分に満たしていると思われたら、ベータ版に登録して、最初にどの点を改善してほしいか教えてください。
参考資料
誤りに気づいたらsupport@pryvpn.comまでお知らせください。修正して日付を更新します。