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VPNの「ノーログ」とは?本当の意味と確かめ方

どのVPNも動くために何かを保存しています。「ノーログ」とは本来、ネットでの行動を記録しないこと。その見分け方と、PryVPNが保存しているものを1行ずつ説明します。

PryVPNチーム公開更新5分で読めます
結論

「ノーログ」とは本来、訪れたサイト、DNSの問い合わせ、通信の中身、そしてその行動にひもづく本当のIPアドレスをVPNが記録しないことを指すはずです。どのVPNも動くために何かを保存しています。大切なのは、何を、どんな形で、どれだけの期間保存し、それを第三者が確認したかどうかです。

ほとんどのVPNが「ノーログ」をうたっています。公式サイトにも、アプリストアの説明にも、広告にも書かれています。けれども、VPNは何もなしでは動きません。どの端末が接続してよいかを知る必要があり、あなたの通信を中継する必要もあります。つまり「ノーログ」は、しっかりした意味を持つこともあれば、ほとんど意味を持たないこともあります。その見分け方を説明します。

行動の記録と、動かすために必要なデータ

VPNが保存しうるものを5種類に分けると、わかりやすくなります。

記録の種類 例 あなたの行動がわかるか
行動ログ 訪れたサイト、DNSの問い合わせ、通信の中身 わかる(直接)
接続ログ 本当のIPアドレス、割り当てられたVPNのアドレス、接続した時刻 単独ではわからないが、他で記録された行動とあなたを結びつけうる
アカウント情報 メールアドレス、支払い情報 あなたが誰かがわかる
運用データ 端末の鍵、使っているサーバー、通信量 短期間だけ、ほかと切り離して保存するならわからない
統計 識別子のない1日ごとの合計 わからない

見落としやすいのが2行目です。あるサイトが「VPNアドレス203.0.113.7が14時2分にこれを投稿した」と記録していたとします。VPN側が「自宅のIPアドレスXの利用者が14時2分に203.0.113.7を使っていた」と保存していれば、2つの記録を合わせることで個人が特定できます。接続ログを残す「ノーログ」は、弱い約束です。

本当にノーログのサービスは、行動ログを一切残さず、本当のアドレスと行動を結びつける接続ログも一切残さず、アカウント情報は最小限にとどめ、運用データも必要な間だけ保存します。

どの事業者にも使える5つの確認方法

私たちを含め、誰の言葉もうのみにする必要はありません。次の5つは、どのVPNにも使える確認方法です。

  1. スローガンではなく一覧があるか。 何を、どんな形で、どれだけの期間保存するかを示した表を探しましょう。「サービス向上のために情報を収集することがあります」は答えになっていません。
  2. 第三者による監査。 誰が、いつ、どの範囲(サーバー、アプリ、あるいはポリシーだけ)を監査したのか、報告書は公開されているのか。監査はある時点のスナップショットであり、永遠の保証ではありません。
  3. 実際に開示を求められたとき、どうなったか。 当局からの要請件数を数える透明性レポートや、事業者に渡せるものが何もなかった公開事例は、現実の試験にもっとも近いものです。
  4. 設計。 そもそも記録しにくくする選択があります。問い合わせにメモリ上で答えるリゾルバー、ハッシュとしてのみ保存される識別子、暗号化して保存するメールアドレスと一方向ハッシュとしてのみ保存するパスワード、標準で短い保存期間などです。
  5. ビジネスモデル。 サーバーの運用にはお金がかかります。無料VPNが誰が費用を払っているかを明かさないなら、広告やトラッカー、データという形で払っているのはあなたかもしれません。コミュニティプロジェクトのPrivacy Guidesも、こうした観点で基準を公開しています。

要注意のサイン

  • 「ノーログ」とだけあり、実際に保存しているものの一覧がない。
  • ポリシーの利用目的があいまい(「分析のため」「パートナーのため」など)。
  • アプリに広告や解析のSDKが入っている。
  • どの会社がどこから運営しているのかわからない。
  • 「追跡不可能」「軍事レベルの暗号化」といった表現。前者は誰にも約束できず、後者には意味がありません。

PryVPNの場合:保存しているものを1行ずつ

ほかの事業者にだけ確認を勧めて、自分たちは除外するのはおかしいので、私たちの一覧を示します。基準となるプライバシーポリシーと一致しています。

一切記録しないもの: 利用するサイトやアプリ、DNSの問い合わせ(リゾルバーはメモリ上で回答し、誰も特定できない合計値だけを残します)、通信の中身、行動にひもづく元のIPアドレス、どのサイトにいつアクセスしたか。

保存しているもの:

項目 保存の形 保存期間
アカウント 暗号化したメールアドレスと、一方向ハッシュ(Argon2id)のみのパスワード。Google の場合は Google アカウント ID の鍵付きハッシュ アカウントを削除するまで
端末 WireGuardの公開鍵、プラットフォーム、アプリのバージョン、追加日と最終利用日 90日間使われなければ削除
各端末の鍵を持つサーバー 端末、サーバー、日付 24時間使われなければ削除
接続中のセッション サーバー、公開鍵、1時間単位に丸めた開始時刻、送受信バイト数 接続している間だけ
ログイン失敗などのセキュリティイベント 種類、時刻、日替わりのソルトを加えたIPアドレスのハッシュ 24時間
サービスのログ 経路、結果、処理時間。IPアドレスは含まず、日替わりソルトの短いハッシュのみ 14日間
バックアップ データベースの毎日の完全なコピー サーバー上に14日分。暗号化したオフラインのコピーは最大30日分

誰かを監視することなくスパムや攻撃を止めるため、サーバーは新しい接続を開く速さなどの「ふるまい」を、サーバーのメモリ上で最長1分間だけ数えています。このカウンターに、接続先が含まれることはありません。メールアドレスの登録は任意で、アプリの統計はご自身でオンにしない限りオフのままです。

実際にはこういうことです。「ある時刻にPryVPNのあるアドレスを使っていたのは誰か」と尋ねられても、その結びつきが存在しないため、私たちには答えられません。こうした要請はすべて透明性レポートで件数を公表しています。

まだできていないこと

確認方法の2と3は、新しいサービスにとって難しいものです。現状は次のとおりです。

  • 第三者による監査はまだ受けていません。 それまでの間に確認していただけるのは、私たちが公開しているもの、つまりプライバシーポリシーにある保存項目の一覧と、透明性レポートです。
  • プライバシーポリシーはベータ版の草案です。 私たちの取り組みを平易な言葉で説明したもので、PryVPNの一般公開前に法律の専門家による確認を受けます。
  • 運営会社の情報は、公開前に法的表示のページで公表します。
  • PryVPNは、あなたを見えなくするものではありません。 ログインしているサイトにはあなただとわかりますし、端末がほかの方法で識別されることもあります。

こうしたことをはっきり伝えることも、「ノーログ」の意味の一部だと私たちは考えています。同じ一覧を製品の視点からまとめたものは、ノーログVPNのページにあります。

参考資料

  1. Privacy Guides:VPNの推奨と選定基準(英語)
  2. EU一般データ保護規則(GDPR)2016/679 第5条:データの最小化と保存期間の制限(英語)

誤りに気づいたらsupport@pryvpn.comまでお知らせください。修正して日付を更新します。

著者について

PryVPNチーム

PryVPNのAndroidアプリ、サーバー、ネットワークを開発しているメンバーです。公開前に、PryVPNに関する記述をすべてプライバシーポリシーと照らし合わせています。

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