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大学や職場のWi-FiでVPNがつながらない理由と、回避すべきでないとき

大学や会社のネットワークは、ポートの制限、プロトコルの識別、DNSでVPNを止めます。それぞれのしくみ、通るもの、そして試すべきでない場面を説明します。

PryVPNチーム公開6分で読めます
イラスト:大学のキャンパスと、443番ポートに開口部があるレンガのファイアウォール。暗号化トンネルがそこを通る
結論

大学や企業のネットワークは、規則とセキュリティのために通信を選別しています。ポートやプロトコル(WireGuardが使うUDPなど)、既知のVPNサーバー、DNSの名前をブロックすることが多いです。通常のウェブ通信と同じTCPポート443を通るVPNなら、たいてい通ります。ただし、同意した利用規則に反する場合があるので、先に規則を確認してください。組織が管理している端末では、決して試さないでください。

キャンパスのWi-Fiは、使いたいアプリ以外はすべて問題なく動きます。VPNだけが「接続中」のまま止まり、やがてタイムアウトします。あるいは職場のネットワークで、閲覧はできるのにトンネルのようなものだけを受け付けません。これは不具合ではありません。こうしたネットワークは一部の通信を止めるように作られていて、VPNがその対象になりやすいのです。

この記事は、大学生と職場で働く大人の方に向けたものです。未成年向けの学校のネットワークは別の話なので、ここでは扱いません。

大学や職場のネットワークがVPNを止めるしくみ

ネットワーク管理者が「VPN」そのものを禁止することはあまりありません。止めるのは、VPNを構成する部品です。

方法 何をするか 利用者から見えること
ポートとプロトコルの制限 ウェブ(TCP 80と443)、DNS、一部のサービスだけを通し、ほかのUDPは捨てる WireGuardのハンドシェイクが完了しない
プロトコルの識別 ファイアウォールが、大きさや形からVPNの通信開始を見分ける 一瞬つながって止まる、または始まらない
VPNサーバーのブロックリスト 既知のVPNのアドレスを拒否する 一部のロケーションだけつながらない
DNSのフィルター ネットワークのDNSが一部の名前を拒否・書き換える アプリがサーバーを見つけられない、ブロック画面が出る
TLSの検査 管理された端末で、組織の証明書を使って暗号化通信を開く セキュリティの警告が出る、アプリが接続を拒む
図:キャンパスのWi-Fiにつないだスマートフォンが3種類の通信をファイアウォールに送る。UDPのWireGuardはブロックされ、TCPポート443のTLSの中を通るトンネルはたいてい通り、TLS検査のある管理端末ではPryVPNが接続せず警告する
一般的な大学・職場のファイアウォールが、VPNの通信の種類ごとに行うこと。

理由は、帯域の確保、セキュリティ方針、ライセンス上の決まり、そして単にファイアウォールが初期設定のままだった、ということもあります。VPNを止めれば、マルウェア対策などネットワーク側のフィルターも働き続けます。

eduroamは「ネットワークのネットワーク」

多くの大学が、研究・教育機関向けのローミングWi-Fiであるeduroamを使っています。どの機関でも同じアカウントで使えますが、ネットワークとファイアウォールは各機関がそれぞれ運用しています。そのため、ある大学でつながるVPNが別の大学ではつながらないこともあり、「eduroamの共通ルール」というものはありません。

また、多くの大学は自前のVPNも用意しています。自宅から図書館や学内システムを使うためのものです。これは別の道具で、通信を大学から隠すのではなく、大学のネットワークの中へつなぐものです。VPNの使われ方を調べた研究(USENIX Security 2022)では、多くの利用者が高校や大学でVPNを知り、無料のVPNを使い、所属機関が提供するVPNのほうが安心だと感じていることがわかっています。

まず、使ってよいかを確かめる

VPNはほとんどの国で合法ですが、大学や企業のネットワークは独自の規則を持つ私的なネットワークです。ブロックを回避する前に、次のことを確かめてください。

  • 利用規程を読む。アカウントを受け取ったときに同意した規程の中には、トンネルや「セキュリティ対策の回避」を明確に禁じているものがあります。
  • 組織が管理する端末ではVPNを使わない。業務用のスマートフォンや仕事用プロファイルでは、VPNが禁止されていることがあります。その場合Androidはアプリを起動させず、変更できるのは管理者だけです。表示される内容は仕事用プロファイルとほかのVPNのヘルプ記事で説明しています。
  • 試験、実験室、制限のあるシステムには、独自の規則があることが多いので従ってください。

正当な目的で必要なものがブロックされているなら、情報システム部門や大学の窓口に相談しましょう。どのネットワークで、どのアプリやサイトを、何のために使いたいのか、どんなエラーが出るのかを短く具体的に伝えるのが効果的です。それがいちばん早く、後で問題にもならない方法です。

許されている場合に通るもの

規則上問題がなければ、ネットワークがすでに受け入れているもの、つまりTCPポート443の暗号化されたウェブ通信の中にVPNを通すのが確実です。ステルスモード(難読化)はそのためのものです。

  1. まず自動モードを試す。良いアプリは速いプロトコル(UDP)を試し、だめなら自動で切り替えます。
  2. 毎日使うネットワークで自動モードに時間がかかるなら、ステルスを手動で選ぶ。
  3. 別のロケーションを試す。特定のサーバーのアドレスだけをブロックするネットワークもあります。
  4. 許さないネットワークもあると受け入れる。ごく一部のサービスしか通さない、またはすべての接続を詳しく検査するネットワークでは、どの設定でも通らないことがあります。それもひとつの答えです。

Wi-FiでVPNがつながらないときの無料診断では、見えている症状を選ぶと、あなたの場合の手順が表示されます。同じ原因はホテルでも起こります。ログインページについてはホテルのWi-FiでVPNがつながらないときの記事で説明しています。

VPNの有無でネットワークから見えるもの

VPNがなければ、大学や職場のネットワークからは、訪れたサイト(DNSの問い合わせと、暗号化通信の開始時に送られるサイト名から)、時刻、データ量がたいてい見えます。ただし、HTTPSのサイトのページ内容や入力内容は見えません。VPNを使うと、見えるのはVPNサーバーへの暗号化された接続とその量だけです。ステルスモードではその接続がHTTPSのように見えますが、高度な検査をするネットワークならVPNだと見抜けることもあります。一覧表はWi-Fiの管理者に見えるものの記事にあります。

こうしたネットワークでのPryVPNの動き

  • 自動:まずUDPのWireGuardを試します。約7秒以内にサーバーが応答しなければステルス(TCPポート443のTLS 1.3の中にWireGuardを通す方式)に切り替え、そのネットワークでは数時間それを覚えておきます。
  • ステルスはUDPより遅く、Android 10以降が必要です。ステルスの間は、TLS接続をサーバーに届けるため、PryVPNのアプリ自身だけがトンネルの外に出ます。ほかのアプリは保護されたままです。各設定はプロトコルのヘルプ記事で説明しています。
  • ネットワークが証明書を差し替えて暗号化通信を検査している場合、PryVPNはそれに気づき、接続せずにお知らせします。そのネットワークを通して何かを送ることはしません。
  • VPNを禁止している管理端末では、PryVPNは起動できず、それを回避しようともしません。

どのネットワークでも必ずつながる、という約束ではありません。ただ、UDPを止めているだけのネットワークなら、ネットワークの専門家にならなくてもつながります。そして、ネットワークが許さない場合は、そのことを正直にお伝えします。

よくある質問

VPNを使っていることは大学にわかりますか?

たいていはわかります。VPNサーバーへの接続、ステルスモードならHTTPSのような長い接続と、そのデータ量が見えます。中のサイトや内容は見えません。

大学のWi-FiでVPNを使うのは違法ですか?

ほとんどの国でVPNは合法です。大学の規則は別の問題で、違法なことをしていなくても、利用規程に反すれば処分の対象になることがあります。規則を読み、迷ったら窓口に確認してください。

モバイルデータではつながるのに、Wi-Fiではつながらないのはなぜですか?

ブロックしているのがWi-Fiのファイアウォールで、スマートフォンやVPNの問題ではないからです。携帯電話会社のネットワークには、別の規則があります。

使ってよいネットワークでの道具としてPryVPNが合いそうなら、ベータ版に登録してください。

参考資料

  1. Dutkowska-Żuk ほか「How and Why People Use Virtual Private Networks」(USENIX Security 2022、英語)
  2. eduroam:eduroamとは、各機関による運用(英語)
  3. WireGuard:プロトコルと暗号、UDPによる通信(英語)
  4. RFC 8446:TLS 1.3(英語)
  5. 総務省:Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル

誤りに気づいたらsupport@pryvpn.comまでお知らせください。修正して日付を更新します。

さらに詳しく

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